弘法大師御手植 長命杉

弘法大師御手植 長命杉

境内にそびえる杉の老巨樹があり、人々から「長命杉」と呼ばれている。
伝承によると、弘法大師が当山にて二十一日間の修法を終えられたのち、 この木を自ら植えられて、行く末永くこの寺を守護するように祈願をこめられたという。
そしてこの木の肌に触れると、その逞しい生命力の感応によって長命を保ち、 天寿を全うすることができるという信仰が永く伝えられ、長命杉の名が生まれたのである。
伝承は別としても、樹高30m以上にも及び、幹の周囲6mを越え、 樹肌に無数の深い亀裂と、そのため生じた荒々しい彫紋は巨大な龍の鱗を思わせる。 その蒼空を目指して真直に伸びる様は、丁度龍の昇天を想起させる。 少なくとも樹齢1100年を経たこの老大樹の生命力は現在もなおその枝葉に緑を茂らせているのである。 この樹が人々の強い信仰の対象となっていることも、当然のように思われる。

千年以上の風雪に耐えた老杉の霊気を受けると、長寿だけでなく病気平癒・身体健全・諸願成就が叶うと言われている。 現在、長命杉(鳴門市天然記念物)保護のために熱心な信者の寄進による柵がもうけられ、紅白の紐をつうじて霊気を受けるような作法となっている。

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