仁王門

四国霊場開創以来1200年、その間八十八の寺々には、きびしい栄枯盛衰の歴史があった。 極楽寺の仁王門改築が始まったのは昭和43年。 全国のお遍路様・檀家様・信者様の尊く清い浄財。また幾星霜、血のでるような浄財によって護持されてきた。 古い仁王門が取り壊されて、現在の新しい仁王門が建設されたのは、昭和48年9月秋、境内に 朱色あざやかな仁王門の完成をみた。

吽形像

弐間一戸、楼門、入母屋で本瓦葺き、朱塗りの鉄筋コンクリート造りであるが、古い形式にかなった建物である。
仁王門の中央に山号を示す日照山の額が輝き、門の入り口左右に四国第二番・極楽寺の標札がかかっている。仁王門の左右両脇の室に安置される仁王像はともに木彫り、寄木造で内刳があり、両眼に玉眼を嵌入し、現在は剥落しているが、当初は美しく朱彩されていたと考えられる。
仁王門、向かって右の阿形像は像高110.5センチ、口を閉じ、頭部を斜め右に向け、右手は垂下するが、五指を伸ばし、左手は拳を作り、屈臂するが、肩の位置まで上げ右足を大きく踏み出して立つ姿である。台座は51センチ高、一枚板の上に岩座をおいている。

吽形像は阿形像と対照的に頭部を斜め左に向け、強く口を閉じ、両手はともに屈臂するが、右手は掌を表にして、五指を伸ばし、拳を作っている。左足を大きく踏み出しているのも阿形像と対照的である。その大きさは阿形像とほぼ同じである。
両像ともに作者は勇渾、写実の風を念頭におき、造られた江戸時代の作である。

仁王門
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